ご挨拶

設立時理事長 寺浦 實

 

理事長挨拶(設立趣意書)

 寺浦留三郎が戦後の荒廃した社会の中で、株式会社ハイレックスコーポレーション(創業時社名 宝塚索導管株式会社)を創業してから、2016年で70周年を迎えました。
 70年の長い歴史の中で、企業を取り巻く環境面は年々大きく変化してきておりますが、近年は特に企業活動、文化交流ともにグローバル化が盛んとなり、人々が国境を越えて世界規模で行き来する時代となっております。このようなボーダレス化しつつある企業活動・文化交流を支える人材面においては、高いコミュニケーション能力や語学力、幅広い見聞を有したグローバル・リーダーたりうる人物が必要とされます。
この学生の「留学」を支える奨学金制度に目を向けると、現状では貸与型が多いため、将来において弁済を要する債務を負うことに躊躇する場合があるのではないか、また経済的に恵まれない学生にとっては、留学費用を負担することはかなりの重荷であり、資金面であきらめざるを得ない場合があるのではないかと懸念しております。実際、現状の日本から海外への留学生は、他の先進国に比べると少ない現状であります。
ここに給与型の奨学金の支給により、学生がより積極的に「留学」ができるよう支援できれば、グローバルで優秀な人材の育成に役立つと考えます。

 

 また、海外から日本への留学生も少ないことを懸念しております。
海外から優秀な留学生を集め、より深く日本の魅力を理解してもらい、日本の学生と切磋琢磨し合うことで、相互理解を深めることができれば、日本での経験を母国に持ち帰って生かしてもらえるのではないか、また留学生と接することで、国内で学ぶ学生にとっても有意義な経験ができるのではないか、と考えます。

 

 この理想の実現のために、寺浦さよ子は私財を投じて奨学金を給与することによりグローバル人材の育成を促進できれば、いくらかでも社会発展に資することができるのではないかと考え、このたび夫と共に創業した株式会社ハイレックスコーポレーションの創業70周年を記念して当財団を設立しました。
当財団は日本から海外へ留学する学生、および海外から日本へ留学する学生であって、経済的に恵まれない優秀な者に対し奨学金を給与する事業を行うことで、グローバル人材の育成に寄与することを目的とするものです。